システム活用法
バーンダウンとベロシティで進捗を見る
この記事でわかること
進捗報告の「70%できています」は、何が70%なのかで意味が変わります。バーンダウンは「残りの作業量」が時間とともに減る様子を、ベロシティは「1週間に何件終わるか」を示します。数字の出どころが決まっているので、議論の前提がそろいます。
この記事では、グラフを読んで手を打つための運用を紹介します。グラフそのものの見方は、ユーザーマニュアルの「バーンダウン・ベロシティの読み方」を参照してください。
グラフは、プロジェクトダッシュボード(管理員向け)と、PgMダッシュボード(担当するプロジェクトの合計)にあります。マイダッシュボードにはありません。
グラフに正しい数字を出すための準備
| 準備 | 理由 |
|---|---|
| 作業に計画人日を入れる | 残りの作業量は、計画人日 ×(100 − 進捗率)÷ 100 の合計。計画人日が空の作業は、0として扱われる |
| ステータスの進捗率を、意味のある値にする | 進捗率は、ステータスで決まる。「対応中」が何%かで、残りが変わる(記事「ステータス設計のお作法」) |
| 終わった作業は、進捗率100のステータスにする | 完了の件数(ベロシティ)が、進捗率100の作業を数えるため |
| やめた作業は、中止のステータス(進捗率-2)にする | 中止は、作業量にも件数にも数えない。「完了」にすると、完了実績が水増しされる |
| WBSの最終期限を入れておく | 理想線は、最初の記録から、WBSの作業の最後の予定完了日に向かって引かれる |
計画人日がどこにも入っていないときは、縦軸が「未完了のタスク(件)」になります。まず件数で始め、慣れたら人日を入れる進め方もできます。
記録のしくみ
グラフは、日ごとの記録(スナップショット)から描きます。毎日の自動記録に加え、ダッシュボードを開いたときにも、その日の分が残ります。記録が2日分に満たないうちは、グラフではなく説明の文だけが出ます。
- 機能スイッチをオフにした種別は、含まれません(その日以降の数字が変わります)。
- 記録は、過去にさかのぼって作れません。導入直後は、数日待ちます。
バーンダウンを読んで打つ手
| グラフの形 | 読み方 | 打つ手 |
|---|---|---|
| 実線が点線(理想線)より上で、離れていく | 遅れが広がっている | クリティカルパスの作業を確認し、人を足す、範囲を減らす(変更管理で判断) |
| 実線が点線より下 | 順調。ただし、進捗率の更新が先走っていないか確認する | 定例会で、完了基準を満たしているか見直す |
| 実線が横ばい | 進んでいない、または作業が増えて打ち消されている | 新しく足した作業(変更)を確認し、ベースラインと比べる |
| 実線が一時的に上がる | 作業の追加、計画人日の増加、進捗率を戻した | 理由をコメントや変更管理に残す |
| 終盤に急に下がる | まとめて完了にした可能性 | 日々の更新を促す。ステータスの更新が遅れていないか確認する |
ベロシティを読んで打つ手
ベロシティは、1週間に完了したタスクの件数です(直近8週まで、平均も表示)。数えるのは、TODO・課題・リスク・変更・不具合で、WBSの作業の完了は含まれません。
- 平均を目安にする:残りの件数 ÷ 平均のベロシティで、あと何週かの見当がつきます。
- 波が大きいとき:連休や、リリース前後の波かもしれません。理由を確認します。
- 件数の大きさはそろわない:1件の大きさは、まちまちです。件数だけで判断せず、バーンダウンの人日と見比べます。
- WBS中心のプロジェクト:WBSの完了は件数に入らないので、ベロシティは小さく出ます。バーンダウン(人日)を主に見ます。
定例会での使い方(5分)
- バーンダウンを映し、実線が点線に対してどこにあるかを確認する。
- 前週との差(ベロシティ)を見て、今週のペースを共有する。
- 気になる動きがあれば、WBS・ボード・不具合の一覧に降りて、原因を探す。
- 打つ手を、TODOとして起票する。
まとめ
バーンダウンは「残りはあとどれだけか」、ベロシティは「1週間にどれだけ終わるか」を示します。計画人日と、意味のあるステータスの進捗率を入れておくだけで、進捗報告は「感覚」から「数字」に変わります。