CtoS
システム活用法

ベースラインで計画の変更を説明できるようにする

この記事でわかること

「なぜ、完了予定が3週間延びたのですか」。この問いに、計画が変わり続けるWBSだけでは答えられません。比べる基準がないからです。本システムのベースラインは、計画をある時点で固定して保存し、現在の予定とのずれを一覧で示します。この記事では、いつ保存し、どう使うかを紹介します。

前提:機能スイッチで「WBS」がオンであること。ベースラインの保存と削除は、プロジェクト管理員だけができます。他のメンバーは、保存済みのベースラインを見て、比べられます。画面は、WBSの画面から開く「ベースライン」(WBSのベースライン)です。

ベースラインに保存されるもの

保存の時点の、削除されていないWBSの全行について、次を記録します。

  • タイトルと、親子関係
  • 予定開始日・予定完了日
  • 計画人日

進捗率や実績は含まれません。あくまで「計画」の写しです。名前(100字まで)と、メモ(255字まで、任意)を付けます。1つのプロジェクトに保存できるのは、20件までです。

いつ保存するか

タイミング名前の例目的
計画が承認されたとき承認時の計画最初の基準。以降のずれは、すべてこれと比べる
大きな変更が承認され、計画を引き直したとき変更#12反映後変更の前後を比べる。承認された変更の影響の説明に使う
工程の区切り(設計完了、テスト開始など)設計完了時工程ごとの実績と見積の差を見る
プロジェクトの完了時完了時の最終計画振り返りと、次回の見積の材料

メモには、「何の承認で固定したか」「関連する変更要求の番号」を書いておきます。

比較画面の読み方

保存済みのベースラインを選ぶと、現在の予定との比較が出ます。比較は、作業行(子を持たない行)で行います。

表示意味
完了予定日(ベースライン → 現在)全体の完了予定が、何日遅れたか(または前倒しか)
予定人日の合計計画人日の合計が、どれだけ増減したか
完了予定が遅れた作業/前倒しになった作業作業の件数
追加された作業/外れた作業ベースライン後に増えた作業、なくなった作業
変わった作業の一覧作業ごとの状態(遅れ・前倒し・追加・工数の変更・外れた)、完了予定の差、予定人日の差。遅れの大きい順

「ベースラインから変わった作業はありません」と出れば、計画は動いていません。保存した直後に、差が出ないのが正常です。

ダッシュボードとの関係

最新のベースライン(最後に保存したもの)は、次の場所で使われます。

  • プロジェクトのヘルス判定:完了予定が、最新のベースラインより遅れていると、黄になります。14日以上の遅れは、赤です。理由に、ベースラインの名前と日数が出ます。
  • PgMダッシュボードのポートフォリオ:プロジェクトごとの遅れ日数が出ます。
  • AI要約:「ベースラインとのずれ」が、要約の材料になります。
注意 新しいベースラインを保存すると、ヘルス判定などの基準が、その新しいものに変わります。「承認時の計画」からのずれを見続けたいなら、保存の前に、その比較結果を記録(Wikiやスクリーンショット)に残してください。また、古いベースラインを消すときも、同じです。

使い方の例:延びた理由を説明する

  1. ベースライン「承認時の計画」を選ぶ。
  2. 完了予定日が、3週間遅れていると確認する。
  3. 変わった作業の一覧で、遅れの大きい作業を上から見る。「追加」の作業と、「工数の変更」の作業に分ける。
  4. 追加された作業のそれぞれに、関連する変更要求を、関連設定でつないでおく。
  5. 説明は、「承認された変更2件で10日、見積の見直しで8日、環境構築の遅れで3日」のように、理由ごとに分ける。

運用のコツ

  • 保存する前に、計画チェックを通す:計画の矛盾が残っていると、基準が悪くなります(WBSの「計画チェック」「先行後続チェック」)。
  • 変更の承認と、ベースラインの保存をセットにする:承認ワークフローで変更が承認されたら、計画を直して、新しいベースラインを保存します。
  • 名前の付け方をそろえる:「いつ・何の時点か」が分かる名前にします。
  • 消すのは慎重に:削除は取り消せません。20件の上限が近づいたら、不要な中間のものだけを消します。
  • スケジュール計算の結果を反映したあとに保存する:反映前の古い日付を、基準にしないためです。

まとめ

ベースラインは、「当初の約束」を残しておく仕組みです。承認時、大きな変更の後、工程の区切りで保存しておけば、計画が変わったときに、「どの作業が、どれだけ、なぜ」変わったかを、数字で説明できます。