システム活用法
プロジェクト完了時のクロージング
この記事でわかること
本番稼働を迎えると、ついほっとして、プロジェクトを「なんとなく」終えてしまいがちです。しかし、残った課題の行き先や、うまくいったこと・困ったことを整理しないまま終えると、同じ失敗を次のプロジェクトで繰り返すことになります。この記事では、本システムを使ったクロージングの進め方を紹介します。
クロージングの4ステップ
- 棚卸し:残っている記録をすべて洗い出す
- 仕分け:完了・引き継ぎ・取りやめに分ける
- 振り返り:サーベイと数字で振り返る
- 教訓と記録の保全:Wikiに残す
ステップ1・2:棚卸しと仕分け
まず、TODO・課題・リスク・不具合・変更の各一覧で、完了していない項目をすべて洗い出します。WBSも、未完了の作業行を確認します。プロジェクトダッシュボードの「エスカレーション案件」や「期限超過」の数字は、洗い出しの入口になります。そのうえで、次の3つに仕分けます。
| 仕分け | 対象 | やること |
|---|---|---|
| 完了させる | すでに対応済みで、ステータスだけ残っているもの | 確認して完了にする。承認の依頼中のものは、先に承認を終わらせる |
| 引き継ぐ | 運用チームや次の段階で対応するもの | 引き継ぎ先と理由をコメントに書き、引き継ぎ一覧をWikiにまとめる。不具合は「保留」や、運用チームの担当に付け替える |
| 取りやめる | もう対応しないと決めたもの | 理由をコメントに残してから閉じる(不具合は「対応しない」、変更は「却下」、そのほかは中止のステータス) |
ステップ3:振り返り
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| サーベイ(匿名) | メンバー全員に「うまくいったこと」「困ったこと」を聞く |
| 計画と実績を比べる | WBSのベースラインと現在の予定を比べ、完了予定の遅れ、予定人日の増減、追加された作業を確認する。タイムシートの実績時間と計画人日を比べ、見積のずれが大きかった作業を洗い出す |
| 推移を見る | バーンダウンで、残りの作業量がどう減ったか(どこで横ばいになったか)を見る。ベロシティで、週ごとの完了件数の波を見る |
| 品質を見る | 不具合の原因区分別の件数(要件・設計・実装・テスト不足など)、再テスト不合格率、平均解決日数から、どの工程に課題があったかを見る |
| 変更を見る | 課題の件数、変更要求の件数と却下率 |
| 振り返り会 | サーベイと数字をもとに話し合い、次に活かすことを決める |
ダッシュボードの数字は、プロジェクトの最後に一度、画面を保存しておくと便利です(スクリーンショットなど)。完了後に、操作や担当の変更で数字が変わることがあります。
ステップ4:教訓と記録の保全
| 残すもの | 場所 |
|---|---|
| 振り返りの結果・教訓 | Wikiの「振り返り・教訓」ページ |
| 最終版の成果物 | 成果物管理で「承認済み」、ファイルは「承認済み」タグ |
| 確定した計画 | WBSのベースライン(最終版の名前を付けて保存) |
| 引き継ぎ一覧 | Wiki(運用チームへのリンクを含む) |
| 完了のお知らせと感謝 | ニュース |
プロジェクトを止める、またはデータを削除するときの手順と注意は、管理者マニュアルの「プロジェクトの一時停止と削除」を参照してください。削除の前に、必要な記録(Excel・CSVでダウンロードできるもの)を保管します。
教訓の書き方
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 起きたこと | 結合テストの開始が2週間遅れた |
| 原因 | テスト環境の準備を開発工程と並行で計画していなかった |
| 次にやること | WBSにテスト環境準備を設計工程から入れ、先行・後続を設定する |
「気をつける」ではなく、「次は何を、いつ、どうするか」まで書くと、本当に使える教訓になります。
まとめ
クロージングは、プロジェクトの成果を「組織の財産」に変える最後の仕事です。本システムに残った記録を棚卸しし、ベースライン・タイムシート・不具合の数字で振り返り、教訓をWikiに残しておけば、次のプロジェクトは一歩進んだところから始められます。