システム活用法
ステータス設計のお作法
全員が同じ意味で読めるステータス
「この課題、どうなっていますか?」「対応中です」。よくある会話ですが、「対応中」がどこまで進んでいるのかは、人によって受け取り方が違います。本システムでは、管理員が管理機能ごとにステータスの名称・進捗率・説明を定義できます。この記事では、全員が同じ意味で読めるステータスの作り方を紹介します。
設定は、管理画面の「ステータス」で行います。
ステータスを決める要素
| 要素 | 役割 | 決め方のポイント |
|---|---|---|
| 名称 | 一覧やボードの列に表示される名前 | 短く、動作や状態がわかる言葉にする(例:確認待ち) |
| 進捗率 | 全体の進み具合を数字で表す | 0%と100%は「未着手」と「完了」だけに使う |
| 説明 | そのステータスにする条件 | 「〜したら、このステータスにする」の形で書く |
| 仕掛かり上限(WIP制限) | ボードの列に同時に置けるカードの目安 | 「対応中」など、たまりやすい列にだけ設定する。超えると列の見出しが赤くなる(保存は止めない)。空なら制限なし |
進捗率の特別な値
進捗率には、普通の0〜100のほかに、次の特別な値があります。ダッシュボードの集計や、完了の判定に使われます。
| 進捗率 | 意味 | 集計での扱い |
|---|---|---|
| 100 | 完了(クローズ) | 完了として数える。承認が終わっていないと、この値のステータスにはできない場合がある(変更管理・成果物) |
| -2 | 中止・却下・対応しない | 未解決に数えない。バーンダウンの対象からも外れる |
| -1 | 保留(不具合管理・変更管理の標準) | 不具合では、未解決に含める |
独自のステータスを作るときも、完了は100、中止は-2にしておくと、ダッシュボードの数字が正しく出ます。
サンプル:課題管理のステータス
| 名称 | 進捗率 | 説明(このステータスにする条件) |
|---|---|---|
| 未着手 | 0% | 起票されたが、担当者がまだ動いていない |
| 対応中 | 30% | 担当者が原因や対策を調べ始めた |
| 対策決定 | 60% | 対策の方法が決まり、実施を始めた |
| 確認待ち | 90% | 対応が終わり、起票者に確認を依頼した |
| 完了 | 100% | 起票者が結果を確認し、問題がないと判断した |
管理機能ごとのサンプル定義
| 管理機能 | ステータスの例(進捗率) |
|---|---|
| TODO | 未着手(0%)→ 作業中(50%)→ 承認待ち(90%)→ 完了(100%) |
| リスク | 識別(0%)→ 評価済み(30%)→ 対応策実施中(60%)→ 監視中(80%)→ クローズ(100%) |
| 成果物 | 未着手(0%)→ 作成中(40%)→ レビュー中(70%)→ 修正中(85%)→ 承認済み(100%) |
| 不具合 | 新規(0%)→ 調査中(20%)→ 修正中(40%)→ 修正済み(60%)→ 再テスト中(80%)→ クローズ(100%)/対応しない(-2%)/保留(-1%) |
| 変更管理 | 起票(0%)→ 調査中(20%)→ 判定待ち(40%)→ 承認待ち(60%)→ 対応中(80%)→ 完了(100%)/却下(-2%)/保留(-1%) |
不具合と変更管理は、標準で上のステータスが用意されています。不具合の「修正済み(60%)」「再テスト中(80%)」にしたものは、起票者のマイダッシュボードで「あなたの再テスト(確認)待ち」として表示されます。この2つの段階を残しておくと、確認の漏れを防げます。
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| ステータスが多すぎる | どれを選べばよいか迷い、更新されなくなる | 4〜6個に絞る |
| 「対応中」が長く続く | 本当に進んでいるのか分からない | 対応中の中身を「対策決定」などに分ける。ボードの仕掛かり上限で、たまりを見える化する |
| 担当者が自分で「完了」にする | 依頼した人が納得していないまま閉じられる | 「確認待ち」を設け、起票者が完了にする。変更管理・成果物は承認ワークフローを使う |
| 説明が空欄 | 人によって使い方がばらばらになる | 必ず「〜したら」の条件を書く |
| 進捗率が名称とずれている | WBSの進捗や予定との差が、実態とずれる | 名称と進捗率をセットで決め、「確認待ち=90%」のように全員に周知する |
運用のコツ
- プロジェクト開始前に決める:途中でステータスを変えると、それまでの記録と意味がずれてしまいます。
- ボードの列として見てみる:ステータスはボードの列になります。左から右へ自然に流れるかを確かめましょう。
- 一覧での直接変更を活用する:定例会では、一覧上で担当者やステータスをその場で更新すると、会議がそのまま記録になります。
- テンプレートで作ったプロジェクトは確認する:テンプレートによっては、ステータスが「未着手・対応中・完了・中止」の簡易な構成で始まります。必要なら増やします。
まとめ
ステータスは、プロジェクト全員の「共通言語」です。名称・進捗率・説明の3つをそろえて定義しておけば、「対応中です」の一言でも、どこまで進んでいるかが正しく伝わります。