システム活用法
クリティカルパスとフロートの読み方
この記事でわかること
プロジェクトにはたくさんの作業がありますが、すべてが同じように大切なわけではありません。1日遅れると全体の終了日が1日遅れる作業もあれば、少し遅れても全体には影響しない作業もあります。
本システムのWBSは、先行・後続の関係から、クリティカルパスとフロートを計算して表示します。この記事では、その読み方と、遅れたときの打ち手を紹介します。
ことばの意味
| ことば | 意味 | たとえると |
|---|---|---|
| クリティカルパス | 全体の終了日を決めている、いちばん長い作業のつながり | リレーで、バトンを落とすと必ずゴールが遅れる区間 |
| フロート(余裕日数) | 全体の終了日を遅らせずに、その作業が遅れてよい日数 | 待ち合わせまでの「あと何分遅れても大丈夫」 |
フロートが0の作業が、クリティカルパス上の作業です。
どこで見るか
- WBSの画面で「管理者ツール」から「スケジュール計算」を開きます。
- 一覧の「フロート」の列と、作業名の横の「CP」の印を見ます。「CP」が付いた作業がクリティカルパス上です。
- 「日数の数え方」で、稼働日(土日・休日を除く)か暦日を選べます。通常は稼働日です。
読むときの前提 計算に使われるのは、先行・後続の設定、所要日数(計画人日)、休日カレンダー、各作業の開始予定日です。先行・後続が設定されていない作業は、他の作業とのつながりがないため、フロートは「プロジェクト全体の終了日までの余り」として計算されます。まず先行・後続を設定してから読みます。
表示だけでは日程は変わりません。 この画面は計算結果を見るためのものです。予定日に書き込むのは、管理員が「計算結果を反映」を押したときだけです。
遅れたときに打つべき手
| 遅れた作業 | 全体への影響 | 打つ手 |
|---|---|---|
| フロートの範囲内 | なし | 記録して見守る。ただしフロートを使い切らないよう注意する |
| フロートを超えた | その分、全体が遅れる | クリティカルパスに変わるため、次の行と同じ対策を考える |
| クリティカルパス上 | そのまま全体が遅れる | 人を増やす、作業を重ねて進める(ラグを調整する)、範囲を減らす(変更管理で判断する) |
遅れを数字で説明する
クリティカルパスとフロートがあれば、報告を「たぶん」から「数字」に変えられます。
| あいまいな報告 | クリティカルパスを使った報告 |
|---|---|
| マニュアル作成が遅れていますが、たぶん大丈夫です | マニュアル作成が4日遅れていますが、フロートが10日あるため全体への影響はありません |
| 開発が少し遅れていて、心配です | 開発はクリティカルパス上にあり、2日の遅れがそのまま終了日に影響します。要員を1名追加する案を検討中です |
画面で確認するポイント
- 定例会ではまずクリティカルパスから:クリティカルパス上の作業の進み具合を最初に確認します。
- フロートが1〜2日の作業にも注意:少しの遅れでクリティカルパスに変わります。
- 計画を変えたら再確認する:作業を追加したり日程を変えたりすると、クリティカルパスが別の作業に移ることがあります。
- 変更前の計画と比べたいときはベースラインを使う:クリティカルパスは「いまの計画」の話です。承認時の計画からどれだけずれたかは、WBSの「ベースライン」で比べます(記事「ベースラインで計画の変更を説明できるようにする」)。
まとめ
クリティカルパスは「守るべき作業」、フロートは「使える余裕」です。先行・後続を正しく設定してスケジュール計算を開けば、遅れの影響を数字で判断できます。根拠のある報告と、先手の対策につなげてください。