システム活用法
Excel管理から移行すると何が変わるか
この記事でわかること
課題一覧、WBS、議事録…。多くのプロジェクトでは、今もExcelとメールで管理が行われています。Excelは手軽で自由度が高い反面、プロジェクトが大きくなるほど「どれが最新か分からない」「経緯が追えない」といった問題が起きやすくなります。この記事では、本システムに移行すると何が変わるのかを、具体的な場面で比べて紹介します。
場面別の比較
| 場面 | Excel・メールでの管理 | 本システムでの管理 |
|---|---|---|
| 最新の状況を知りたい | 共有フォルダの中から最新ファイルを探す。コピーが複数あると、どれが正しいか分からない | データは1か所だけ。開いた画面が常に最新 |
| 誰がいつ変えたか知りたい | 変更履歴が残らない、または追うのが大変 | 項目単位の更新履歴で、誰が・いつ・何を変えたかが分かる |
| 課題の経緯を説明したい | 課題表・変更管理表・メールを行き来して探す | 関連設定をたどれば、リスク→課題→変更の流れが分かる |
| 担当者に対応を依頼したい | メールで連絡し、返事がなければ催促 | 担当者に設定すると通知が届き、コメントでやり取りが記録に残る。期限リマインダーのメールも選べる |
| 日程の遅れの影響を知りたい | 手作業で日付を直し、影響を目で追う | 先行・後続の関係から、スケジュール計算でクリティカルパスとフロートを確認できる。管理員が「計算結果を反映」を押すと、予定日にまとめて書き込める |
| 計画の変更を説明したい | 「前の版」を探して見比べる | ベースラインに計画を保存しておけば、現在の予定とのずれを一覧で比べられる |
| 進捗報告の資料を作りたい | 複数の表から数字を集めて、資料に貼る | プロジェクトダッシュボードに、予定との差・期限超過・未解決リスク・バーンダウンが並ぶ。週次レポートのメールも届く |
| 定例会の準備 | 複数の表から報告資料を作る | 一覧やボードをそのまま画面に映し、その場で更新する |
| 工数の実績を集めたい | 各自のExcelを回収して集計する | タイムシートに日ごとに入力すると、タスク別の累計と予定の比較が自動で出る |
| 新しいメンバーの受け入れ | ファイルの場所や書き方のルールを口頭で説明する | Wikiと管理画面を見れば、ルールと経緯が分かる |
| 情報の安全性 | ファイルのコピーやメール転送で、意図しない相手に渡るおそれ | 権限によって見られる範囲が決まり、パスワードは暗号化して保存。二要素認証も使える |
Excelの「よいところ」はどうなるか
| Excelのよいところ | 本システムでは |
|---|---|
| 一覧で見やすい | 一覧画面で見られるほか、ボード(カンバン)にも切り替えられる。列ごとの絞り込みと、よく使う絞り込みの保存もできる |
| その場ですぐ直せる | 一覧上で担当者やステータスを直接変更できる |
| 項目を自由に決められる | ステータスやカテゴリを管理機能ごとに定義できる。カスタム項目で、独自の入力項目も足せる |
| 表計算で加工できる | WBSと、TODOなどの一覧(画面で絞り込んだ結果のまま)を、Excelファイルまたはcsvでダウンロードできる |
| 社外に渡しやすい | 体制図はExcelでダウンロードできる。社外メンバーも権限を分けて招待できる |
移行の進め方
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 範囲を決める | まず課題管理とTODO管理だけ移す | 一度に全部移さない |
| 2. ルールを決める | ステータス・カテゴリを定義する | Excelで使っていた区分をもとにすると混乱が少ない |
| 3. 未完了分だけ移す | 完了済みの項目は元のファイルに残し、未完了分を登録する | 移行作業を最小限にする |
| 4. Excelを読み取り専用にする | 元のファイルは参照用として残す | 二重管理を防ぐいちばん確実な方法 |
| 5. 機能を広げる | 慣れてきたらリスク・変更・WBS・不具合管理へ広げる | 記事「機能スイッチの選び方」を参照 |
移行を成功させるコツ
- 「今日からここが正」と宣言する:移行日を決めてニュースで周知し、それ以降の更新は本システムだけで行います。
- 定例会で画面を使う:会議で本システムの画面を映して話すと、自然と全員が使うようになります。
- 最初の数週間は管理員がフォローする:起票の仕方や記録先の選び方に迷う人を手助けすると、定着が早まります。
- ダウンロードを「保険」にする:どうしてもExcelの資料が必要な報告は、一覧をダウンロードして作ります。元データは本システムに置いたままにします。
まとめ
Excelからの移行で変わるのは、道具だけではありません。「最新の情報がひとつにまとまり、経緯がつながって残る」ことで、状況の確認や説明にかけていた時間を、本来のプロジェクトの仕事に使えるようになります。まずは課題管理から、小さく始めてみてください。