システム活用法
TODO・課題・リスク・変更はどう使い分けるか
なぜ使い分けが大切なのか
プロジェクトでは毎日いろいろな「気になること」が出てきます。本システムには、それらを記録する場所として「TODO」「課題」「リスク」「変更管理」、そしてシステム開発では「不具合管理」があります。この記事では、どれに記録すればよいかを迷わず決めるための考え方と、実際の例を紹介します。
すべてを1つの表に書いてしまうと、「今すぐ手を打つべきもの」と「いつか起きるかもしれないもの」が混ざり、本当に大事なものが埋もれます。本システムでは、性質ごとに記録場所を分け、それぞれに合った項目と進め方を用意しています。
使える管理機能は、プロジェクトの「機能スイッチ」で決まります。メニューに出ていない機能は、管理員にオンを依頼してください。
5つの管理機能のちがい
| 管理機能 | ひとことで言うと | 時間の向き | 主な記録項目 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| TODO | やればよい作業 | いま・これから | 予定完了日、主管チーム、承認者、完了基準、計画人日 | 議事録を配布する |
| 課題 | すでに起きている困りごと | いま | TODOと同じ+対応状況 | テスト環境が動かない |
| リスク | まだ起きていないが、起きたら困ること | 未来 | 発生確率、影響度、対応策(PMBOKベース) | キーマンが異動するかもしれない |
| 不具合 | システムやテストで見つかった「期待と違う動き」 | いま | 重要度、優先度、再現手順、期待結果、実際の結果、原因区分、再テスト結果 | 登録ボタンを押すとエラーになる |
| 変更 | 決まっている計画・仕様・費用を変えたい | これから(決め直し) | 影響範囲、工数見積、判定結果、却下理由、承認ワークフロー | 画面を1つ追加したい |
迷ったときの質問
次の順番で自分に質問すると、ほとんどの場合すぐに記録先が決まります。
- 決まった計画・仕様を変える話か。→ 変更(変更管理)
- ソフトウェアやシステムが、仕様どおりに動かない話か。→ 不具合(不具合管理)
- すでに困っているか。→ 課題
- 将来困るかもしれないか。→ リスク
- どれでもなく、やれば終わる作業か。→ TODO
「これはどれ?」実例集
| 出来事 | 記録先 | 理由 |
|---|---|---|
| 来週の定例会の会議室を予約する | TODO | やれば終わる作業 |
| 取引先からの回答が期限を過ぎても来ない | 課題 | すでに困っている |
| 年度末に利用部門が繁忙期で、テストに参加できないかもしれない | リスク | まだ起きていない |
| 利用部門から帳票を1つ追加してほしいと言われた | 変更 | 決まった範囲を変える |
| テスト中に、保存ボタンを押すと画面が固まることが見つかった | 不具合 | 仕様どおりに動かない。再現手順と重要度を残す |
| 不具合の原因が、テスト環境のデータ不足だとわかった | 課題(不具合と関連付け) | 環境を整える対応が別に必要になった |
| リスクとして登録していた要員不足が、本当に起きた | 課題(リスクと関連付け) | 未来の話が「いま」になった |
| 課題を解決するためにリリース日をずらしたい | 変更(課題と関連付け) | 計画を変えることになる |
不具合管理をオフにしているプロジェクトでは、不具合も課題に記録して構いません。そのときは、タイトルの先頭に「【不具合】」と付けると、あとで見分けられます。
使い分けのコツ
- 迷ったら課題に書いてよい:記録しないことがいちばんの失敗です。あとから移し替えれば十分です。
- 1件に1つのことだけ書く:「AとBが困っている」は2件に分けます。完了の判断がしやすくなります。
- 移り変わりは「関連設定」でつなぐ:リスクが課題になり、課題が変更要求になる、という流れはよくあります。新しく起票して関連付ければ、経緯が一目でたどれます。
- 大きな作業はWBSへ:数日以上かかり、スケジュールに影響する作業は、TODOではなくWBSのタスクとして計画に組み込みます。
- 不具合は課題より細かく書く:再現手順・期待結果・実際の結果を書いておくと、直す人が迷いません。重要度(影響の大きさ)と優先度(急ぐ度合い)は別々に設定します。
まとめ
「いま困っているか」「将来困りそうか」「決まったことを変えたいか」「期待どおりに動かないか」を確かめるだけで、記録先は迷わず決まります。正しい場所に記録することが、本システムの力を引き出す第一歩です。あわせて、記事「関連設定と先行・後続設定で管理項目をつなぐ」「不具合管理を回す」もご覧ください。